極める専門を見失った浦島太郎は競争社会に向かないのかな?昔は電気工学が自分の専門分野だと少しは思っていた。去年は変圧器の奇想天外診断などと言う思い付き実験が長年実験的証明も無しで悶々としていた電気回路に明確な電線路空間におけるエネルギー分布の姿を捉えることに結びついた。それも電気の教科書の内容に背くような結果になった。その流れから電気回路現象の解釈に今年は幾つかの進展を得たと安心している。いつも考えることが物議を醸すようなことが多いようで誠に恐縮している。レンズと焦点距離などと言って何を書くかと責められそうで誠に心配ではある。高等学校の3年生の物理の授業でレンズの機能を教わって、感心して了解し、納得して長いことその教科書の解釈を信じて来た。ここ数日眼とカメラの関係で、レンズの焦点距離に頭の中で混乱が生じていた。以前書いたレンズと光路を見たのが切っ掛けでもある。焦点距離と光路の話として、雑科学ノートー光学機器の話 などがある。この光路と焦点距離の解説が理解できないのである。そのレンズと光路の関係を全く数式を使わずに、日常用語で説明してみよう。
(2017/11/18)追記。 『焦点距離』とはどのような定義用語なのか分からなくなってしまった。一つのレンズには一つの焦点距離しか存在しないのではないか?と考えたいのだが、カメラの焦点距離はそんな意味では使っていないようだ。 理科や物理で教えるレンズの機能は一つのレンズで、その光学的光の道筋を説いて理解を促している。しかし実際のカメラの『焦点距離』は上の説明にあるように、11mmと数100mmとで、遠くの像が大きく拡大された望遠レンズでの像が示されている。カメラの『焦点距離』はレンズの機能説明の意味とは全く異なった使い方をしている。デジタル一眼レフカメラの基礎知識は画角と言う用語との関係で解説されている。もう少し考えたい。コメントに対する意見で考え違いであった事から追記となった。用語『焦点距離』の定義が明確か(?)の問題でもある。次の図で考えて見た。
レンズの写像と焦点距離(焦点距離とは?) カメラで使う焦点距離とレンズの焦点距離との用語の意味が必ずしも同じとは見えない。筆者自身も明確に捉えていなかったようで、実に不甲斐ない。実用的にはレンズはカメラとしての光学技術を生かす事を求めるものである。しかし学校教育でレンズとしての機能を学ぶ場合には、カメラの焦点距離は理論的に難し過ぎて、学習するには困難である。単一レンズの光学的機能を理解する事が先ず基礎として必要であろう。その場合の焦点距離とはどのような意味で定義するかの問題として捉えたい(筆者の独断であるが)。無限遠の太陽の写像はレンズに決まった写像距離即ち『焦点距離』を示す。それを焦点距離と定義すれば分かり易いと思う。そのレンズを使って被写体の像を写すと、その写像位置は太陽の写像より必ず離れた位置に結ぶ。その関係をレンズ径11㎝のもの(下の手持ちレンズの①)で調べた結果が上の図である。同じ寸法の観測対象・被写体A、BおよびCをレンズを通して衝立に写す。少し遠いAは太陽の写像距離とほぼ同じ距離に小さな像を結ぶ。観測対象が近付くと、写像位置は離れて結び、像は大きくなる。この写像位置をすべて対象に対しての、それぞれの焦点距離と言っているようだ。それがカメラの焦点距離の意味に近い。ただカメラでは、望遠レンズなども含めるとなかなかその焦点距離と言う用語の意味はレンズの意味を理解する事とは繋がり難いように思う。『焦点距離』と言う用語も観測被写体に対する鮮明な写像を得るそれぞれのレンズからの写像距離であるという意味で使われている。無限遠の太陽の写像距離を焦点距離と決めれば、レンズ単体に対して、一つだけの焦点距離となり混乱しないと思う。ただカメラでの使用とは違ってしまうが。さて上の図のような写像距離を簡単に調べるには、手にレンズを持ち被写体を観測しながら、レンズと眼の距離を変えて、丁度被写体の姿が消えた時(被写体の像が正立像で見える状態から眼を離すと或る位置で像が見えなくなる。視界が靄のように何も見えない状態に成る。その眼とレンズの距離が写像位置に成り、衝立に像が写る焦点距離と言われる距離である。それ以上に眼を離すと、反転像が見える事に成る。その眼で見えるレンズとの間の距離は焦点距離・写像距離とは何の関係も無い距離である。)のその距離が写像距離(普通に言う焦点距離)である。形が消える未経験の写像となる距離の時が所謂一般に言う焦点距離に当たる。その点の前後で、視界に見える像は正立像から逆転像に丁度切り替わる境でもある。眼で見えなくなる位置がいわゆる焦点距離(フイルムに写る写像距離)であるという意味が分かれば、レンズの実像と言う意味が理解できたと言えるだろう。教科書の『焦点(レンズ軸に平行な光線が収束するという点)』と言う概念は無意味であり必要が無い。また理解不能の状態だ。ウイキペディアに焦点距離がある。この焦点距離の定義は太陽の焦点距離と同じ意味である。カメラの写像の距離(フイルムの位置)とは異なる意味だ。??。
実像って何ですか? 凸レンズの機能の説明の教科書的解説方法である。レンズに入射する観測対象からの軸平行光線の光路は焦点を通り、レンズの中心を通る光路との交点に実像が結ばれると説明される。そんな実像はありません。おそらくカメラの撮像面に写る反転像を解釈する原理としての説明になったのであろう。
カメラと焦点距離 カメラのフイルムや撮像面は丁度焦点距離(この焦点距離と言う意味が曖昧なのである。カメラの写像距離で被写体までの距離で変化するから焦点距離と言う用語で解釈すると、焦点距離は無限に存在する訳である。その『焦点』と言う意味にどのような意味を持たせているかが明確でなければならない。その『焦点』の用語が、単一レンズの原理として使う教科書用語『焦点(こんなものは存在しない)』との意味と関係付ようとする処に混乱の基が生まれる。平行光線の『焦点』は存在しない事を知るべきだ。2017/12/28追記)の位置に在る。光が焦点を通過した後に出来る像などではない。カメラの像は確かに反転像である。カメラについてはデジタル一眼レフカメラ (この解説記事でも、「レンズの焦点距離」と言う表現が使われている。しかしレンズに決まった焦点距離が定義されている訳ではない。レンズと観測対象との距離で、その写像距離はそれぞれの距離に対して、無限に存在する。だからレンズの焦点距離と言う表現は誤解と混乱を招く。太陽光線の焦点距離と言う意味で定義すれば、確かにレンズに一つの焦点距離が確定する筈だが、そのように定義されている訳でもない。2017/12/28追記)が参考になろう。
カメラの原理 薄暗い部屋で、障子戸をレンズを通してレンズから焦点距離(太陽光線の焦点距離で、実際はそれより少し大きい筈であった。写像距離とすべき意味を間違っていた。2017/11/21追記)だけ離した紙に写すことが出来る。レンズと距離と像の関係はカメラの原理を表している。この紙に写った像を実像と言えばそれは理解できる。しかし教科書の説明の焦点距離より後方の像は存在しない(文末のコメントの指摘通り、間違いでした。太陽光線の焦点距離より必ず後方に写像位置は来る。2017/11/21訂正追記。)。
焦点の意味が分からない
手持ちレンズ ①は直径11.5cm 、f=30cm (焦点距離)でジオプター+3Dとある。②は直径5.25cm 、f=10.5cm程。焦点距離は太陽光線を集光して測定した。老眼鏡も同じ凸レンズで、同じ機能の特性を示す。メガネの焦点距離についてはハヤシメガネ度数・焦点きょり早見表 にジオプターとの関係が示されている。また高校物理の教科書の理論がメガネの理論ーFNの高校物理 に解説されている。この高校生が学習する内容がとても難しくて私は分からないのである。特に問題と考える点が焦点距離と光路の関係である。
拡大鏡の例
+3D拡大鏡 焦点距離(約30cm)より短い5cm程での拡大。目の位置には無関係に同じ大きさに見える。
焦点距離(この焦点距離は太陽の写像距離で解釈していたが、必ずしもそのような定義ではなかった。2017/12/28追記) レンズを手にして考えた。レンズで文字を拡大してみる。文字とレンズの距離が焦点距離以内なら、眼をレンズに近付けても、遠避けても文字の大きさは同じように見てとれる。
眼で見るレンズの像① 正立拡大像はAが焦点距離fに対してf以下であれば、ほぼ同じ大きさに見てとれる。目の位置Bの距離に関係なく。この拡大鏡のレンズ機能はどこに像を結ぶと言うものでもなく、眼とレンズの距離Bがほとんど零でも文字は同じく見える。この意味は目に入る光の光路がどの位置でも同じように存在することを示している。目の位置がBの範囲のどこにあっても眼の瞳に『ア』の文字の各点からの光が同一立体角の中に含まれた立体錐の範囲で入射すると言う事である。
眼で見るレンズの像② 反転縮小像。Aが焦点距離より相当大きい場合で、カメラに近い状況。Bが焦点距離以下で像はボケる。Bがf以上なら比較的鮮明な反転像が見える。B=fの時が焦点距離の意味を如実に説明している。その時何も眼に像は見えない。その意味を考えて欲しい。その答がカメラの光路の解釈になる。
レンズを通した眼およびカメラの光路 これが難しい。カメラの光路はどのように結像を結ぶか。フォーカス(絞り)に依る光量の意味を合わせて考える必要がある。
カメラの写真と光路 カメラは焦点距離(写像距離か・・?)にフイルムがあり、そこに像を結ぶ。今は技術革新が進み、カメラもその機能をデジタル技術の仕組みにしてしまった。像も画素の点のパズルの組み合わせになった。カラーフイルムは一部を拡大してもアナログであるから鮮明な像が印刷できる。そんな昔のカメラを眺める。
一眼レフカメラNikon FE2 裏ぶたを開ければ、カメラの原理が見える。
カメラバルブ(解放)のフイルム面の像、像は何も見えない。
フイルム面のトレーシングペーパー上の写像(解放撮影)。フイルム面の反転像(障子戸)が鮮明に写っているが、その焦点距離面で眼で観測すると何も像は見えない。
レンズ機能の焦点距離 焦点距離(これも写像距離と言うべきか?)に結像する写像はその位置で眼で見ると決して像は見えない。フイルム面の2次平面上の各点にレンズの全面を通した被写体の各一点からの光が到達する。その光路は焦点などを通らない。
未経験の視界 今チューリップをレンズを通して見るとする。目がレンズの焦点距離に在るとする。その位置には2次元平面でチューリップの反転像の光の模様が描かれている。しかし目で観測すると、その観測像は現実世界では決してお目にかかれない渾沌の視界である。目の瞳にはチューリップの或る一点からの光がレンズ全面を通して到達する。だから瞳には上下左右全面からチューリップの一点の赤い光が入射することになる。それがフイルム面なら、その点に鮮明なチューリップの一点の像が写ることになる。目の位置を動かせば、その2次元平面のそれぞれ対応した反転像の光線の視界になる訳である。
レンズの光学理論と教育 (2017/11/21追記)単一レンズの解釈で、『焦点』と言うレンズに平行な光線が収束するという点など存在しない。その単純な疑問からレンズの機能を理解しようと考えたが、高度の光学機械のカメラ、望遠鏡および顕微鏡等の虚像概念なども含めて考えるととても複雑な機能で、単純には理解できない事を知った。以下の記事での教育に関わる問題については、筆者も『焦点距離』の意味を太陽光線の焦点距離と捉えた間違いもあったようでお詫びしたい。光学と言うレンズ一つの機能でも、その基礎的理解が教科書の『焦点』の解釈で間違っている事が何故なおざりにされているかは、教育者側の大きな問題であると思う。教育に対する専門家が問われているのではなかろうか。顕微鏡や望遠鏡の光路の意味を考えて見る必要を感じている。焦点距離と写像距離の用語の使い方なども含めて。以上2017/11/21追記。レンズの話は高等学校の物理教育で教える内容である。上に述べた考察は教科書の理論が間違いであることを論じた事になる。何も特別に科学研究費を請求する程高度の研究などではないのだ。レンズを手にして光の像がどのように出来るかを眺めてみれば分かる筈だ。日常の遊び心で分かる問題だ。どんな高度の数式を扱っても理解できない問題だ。こんな基本的な光の現象が間違って教育されていたことになる。教えるとなれば真剣にその意味を理解し、とことん納得して疑問の無い自分の考えを子供達に教える筈だ。教科書に書いてあるからと言うだけで、納得できるのだろうか。科学理論とは何なんだ。入学試験では、レンズの解釈に焦点は必ず光が通ると答えなければ間違いとなる。しかしその答が間違いである。誤った教育である。学習指導要領が間違っている。電気現象で『電流』が自然界の真理であるかの如く教育される『物理学』の問題と同じ事である。日常の生活感覚と厳めしい科学理論の間を遮る絶壁のような社会問題と看做せよう。なお、とても詳しい解説がある。「光と光の記録ーレンズ編 」は所謂専門家の解説であろう。(2017/08/24)追記。確かに近軸光線について焦点がずれることまで詳しく解説されています。平行光線がすべて焦点を通ると言う『焦点』があると言えば、それは違うと言うことを言いたかったのです。それ程単純ではないと言う意味です。この論説はさすがに専門家の詳細な検証記事で素晴らしい。それが近軸光線について焦点の意味に踏み込んだ解説であり、平行光線が『焦点』を通る訳でない事を示していると思う。