タグ別アーカイブ: Vapor

津波と圧力水頭

(2020/03/10)追記。先日NHKのスペシャルで津波に関する放送が有った。今再びその時の内容を考えている。この記事についても訂正すべき内容が有った。津波伝播エネルギーの解釈で文中に訂正をした。基本的に、専門家が唱える津波現象の陸側岩盤の跳ね上がり現象と言う解釈について理解しかねる。津波の上陸・到達高さには、津波の本質が「圧力エネルギー」の伝播現象であり、そのエネルギー保存則が関係している。その意味が専門家の解釈の根底に無いことが問題だと考える。また、津波波形が波頭値を持った衝撃指数関数波形であり、その圧力エネルギー波としてのシュミレーションが出来ていないように思う。もう一点指摘したい。津波到達前に、海岸線で引き波が起きることが有る。特に巨大地震の場合によく起きる現象である。その訳が専門家によって解説されないのは何故か?その点について理解に苦しむ。

はじめに 自然現象を理解するに、『エネルギー』の意味を理解する事がとても大切だと思う。理科教育で、物理学で日常生活に関わる大切なエネルギーが津波と言う生命の危険を察知すべき自然現象の根底にある事を教えて欲しい、学んで欲しいと思う。エネルギー論の一つとして取り上げたい。『エネルギー』の意味を『物が仕事をする能力』と言う解釈で良いのか。

津波 日本語の津波がそのまま tsunami と世界で言われる程日本列島にはその災害が多く発生する。複雑な地殻・プレートの重なり合いの上にある列島である事が地震と巨大津波に遭遇する理由と成っている。その津波について、特に巨大津波の発生現象やその仕組みについて明確に認識されているであろうか。地震によってプレートの重なる海底領域で特別な現象が発生する事が原因であることに間違いはなかろう。その海底の状況がどのように成ると巨大津波の発生源となるかを認識することが必要である。津波と言うと、その姿は陸の生活圏に突入して来る水の階段衝撃波として見て、その恐ろしさを理解している。災害をもたらす津波像はその通りであるが、その姿は津波の本質を示してはいない。津波の到来高さをもたらす原因は水力学の物理学の理論に因る筈であるが圧力水頭の縦波伝播現象として物理学では捉えているだろうか。津波の本質は発生源の海底の地殻変動現象とそれに因って発生する衝撃パワー(エネルギーの時間微分強度とエネルギー量)の海洋伝播現象にある。それは地球の活動の一つである地殻変動の結果の地震が基で起こる現象である。

地震はどのような地球活動現象か 地球の生命は中心核に隠されていよう。核は暗黒の灼熱地獄であろうと思う。そこではすべてが、どんな岩石も溶融した熱源と成っていよう。熱力学はそのエネルギーが高温部から低温部(地球表面)へ流れる事を教えている。エネルギー保存則から地球熱源核の熱量は新たな補給が必要であろう。地球が生きている限りは地殻変動で中心核への熱源の供給活動が必要であろう。中心核のエネルギーは、その核が超高圧力(ボイル・シャルルの法則)に因ってもたらされているのだろうと思うが、万有引力説でも説明できないから、全くの素人感覚での解釈でしかない。地球表面に起こる地殻変動現象は専門家によって、断層の分布が詳しく解説され、地震発生メカニズムの説明がなされている。地球は人間にも容赦なくその活動が災害として襲いかかって来るが、そこに生きる者の宿命であろう。地球の構造について検索すると、マグマやマントルそして中心核の事がそれぞれ別に解説されている。決して中心核とマグマや火山との関係では捉えられていないようだ。何故同じ地球の中で核が活動の中心にあると考えないのだろうか。何故核がマグマと繋がっていると考えないのだろうか。何故地球核の熱源と火山活動が関係していると考えないのだろうか。それは科学が実験的証拠によって初めて科学的論理と認知されるという検証基準があるからであろう。地震がなぜ起きるかを考えたとき、何故地震と核が関係付けられて論じられないか不思議であった。地震は地球の生きる活動の実相であり、その心臓部が核である。地球活動のすべては核が握っている。決して証明できない解釈ではあるから、無責任な素人論かもしれない。『正電荷』の実在証明が出来ないと同じ程度かとも考える。

津波の記憶と記録

  1. 1993年7月12日北海道南西沖地震(マグニチュード7.8)での奥尻島への津波31mの高さまで達したとある。この津波映像をテレビで見たのが地震と津波への関心を抱いた切っ掛けになった。専門家が津波の到達した高さに「何故こんな所まで?」と訝しげに解説していた。しかし、筆者には特別不思議に思う事もなく、水の特性として当然に思えた。しかし、その訳をハッキリと認識しては居なかったと。
  2. 2004年12月26日スマトラ島沖地震(マグニチュード9.1) 新潟県中越地震の歳の暮れに起きた巨大津波である。この地震に関するテレビ映像で特に驚きとやっぱりだったと印象に残ったのは、震源から遠く離れた海岸の引き波であった。海岸が海水が引いて魚が跳ねている映像だった。その後津波が遅れて到達し街に襲いかかる様子があった。この津波映像が巨大津波の発生原因についてある確信を得るに至った。更に、翌年の2005年3月の朝日新聞記事の海底亀裂写真がその意味を裏付けたと考えた。
  3. 1960年 チリ地震(マグニチュード8.6)の記録 丁度地球の反対側のチリ海岸で起きた地震。22~23時間後に大津波が日本に到来し大きな被害をもたらした。日本の東海岸でも津波到達前に引き波があったとある。(2020/03/10)追記。この津波伝播速度は200[m/s]程度であろう。空気中の音速が331[m/s]程度で、それも空気の縦波圧力波の速度である。水中の圧力伝播速度も深さなどに関係なく、ほぼ200[m/s]となるのではなかろうか。
  4. 1896年(明治29年)6月15日明治三陸沖地震津波の記録 38.2mの津波の高さとある。日本列島の何処でどのような津波の高さに襲われるかはすべて予測できないと覚悟しなければならなかろう。30mを超える可能性がある事だけは認識しておくべきだ。防潮堤で防げるものではなかろう。

圧力水頭 圧力水頭と言う言葉は水力学の用語である。特に水力発電技術の用語として馴染んで来た。津波現象を理解するにはこの圧力水頭の意味を知っておくことが大事であろう。その意味は海底の深い地点での水圧が強いことがその海水の空間がエネルギーを保有していることと関係しているからである。海底の深さは技術用語の圧力水頭の意味に通じている。水深の深さがその海底空間のエネルギー量を表すと看做せよう。空間の持つエネルギーはボイルの法則の体積V[]と圧力p[N/]の積でエネルギーE=pV[J]となる意味から分かろう。発電技術ではダムと発電機水車の関係で捉えるようだ。フランシス水車の水力学を例にその圧力水頭の解説をしておこう。

フランシス水車と水頭 水車にはカプラン水車、ぺルトン水車などがあるがフランシス水車が水圧、圧力水頭の理解には適していよう。高い位置のダムと低い場所の間の水圧差を利用して、そのエネルギーを電気エネルギーに変換するのが水力発電所である。ダム水位と放水面はともに大気圧である。だからそのダム水位の高さ(それが総水頭)がそのまま発電エネルギーに利用できる。導水路管の図のq点の水の持つエネルギーはどのように表されるか。その単位体積当たりの水の質量は密度ρ[kg/㎥]で表される。

その位置エネルギーは水が流れていても、ある瞬間のその位置の水のそれは

ρgh[J/㎥]

である。

水の流速度v[m/s]とすれば、速度エネルギーは

(1/2)ρv^2^ [J/㎥]

である。

圧力エネルギーは、その点の水圧p[N/㎡]とすれば 1[㎥]の体積との積で

p[J]となる。それは単位体積当たりのエネルギーであるから

p[J/㎥]

となろう。

総エネルギーE[J/㎥]は損失のエネルギーElを加味して、

E= ρgh + (1/2)ρv^2^ +p +El       [J/㎥]

である。

上の各エネルギー成分を水柱の長さ[m]で評価するのが水頭になる。Eを水頭に変換するには、ρg[(kg/㎥)(m/s^2^)=(N/㎥)]で割ればよい。

H= h + (1/2)(v^2^/g) + p/(ρg) + El/ρg  =  h + hv + hp +hl [m]

と表される。

 圧力水頭 hp [m]は流水量の調節によって変化する。もし水車の回転を止めたとする。その時、水車の入水面の羽根に掛る水圧pは総水頭H[m]分の水柱の圧力と等しくなる。p= ρgh [J/㎥ =N/㎡]となる。その点の水の単位体積当たりの空間エネルギーがp[J]である。そのエネルギーを水柱の長さで捉える手法が水力学の「水頭」の意味である。フランシス水車のタービン羽根の入射面と出口面の圧力差は圧力水頭H[m]に近い。出口面の部分的水圧が大気圧以下になれば、キャビテーションと言う状態が発生し、効率が落ちる。フランシス水車は圧力水頭を利用する水車とも言えよう。さて、この水頭と言う意味を海の海底を例に考えてみよう。海底1万メートルの水頭の海水の単位体積当たりの保有する空間エネルギーは幾らであろうか。海水が静止状態で保有する空間の圧力エネルギー量(熱など他エネルギーは考えない)である。海水密度と水深1万mから、10万[kJ/㎥]程になろうか。地上の大気圧の空間エネルギー密度が100[kJ/㎥]に対して。しかしこれらのエネルギーは仕事をする能力は持ち合わせていない。利用できないから物理学の対象に取り上げられないと言うことであろう。利用できなければ、存在しても「見えない」ものになる。自然の真理を説き明かすより、利用する現実が物理学の対象となっているのかもしれない。しかし、津波の問題となると、完全な地球の自然現象の現れである。地球は人の為の自然活動ではないから、そこに自然の真理を認識する必要性が、津波現象解釈に持ち上がる。津波を圧力水頭の関係から考えてみよう。

水深圧力水頭 大気圧の海面空間のエネルギー密度は大よそ100[kJ/㎥]である。この空間の持つエネルギーと言う概念は物理学理論では余り認識されていないようだ。そこに更に加算して、海底の空間が持つエネルギーも同様に存在する訳である。大気圧を除いて、水深だけの圧力水頭を水深圧力水頭として図に示した。海水の密度ρ[kg/㎥]は水深D[km]によって多少は変化するだろう。日本海溝の水深5000m当たりに成ると、ρ=1[t/㎥]一定と仮定して、その海底の空間の持つエネルギー密度Edは49[MJ/㎥]程になる。

(2020/03/10)追記。「この空間の持つエネルギーが地震時の巨大津波を引き起こす原因であると解釈する。」この記述が間違いとしたが、正しかった。海底陥没のその空間の圧力エネルギーが巨大津波の原因と解釈する。ただ津波伝播エネルギーはその陥没エネルギーが流れる訳ではない。

津波の海洋伝播波形 遠い地点で発生した津波が海洋を伝播して到達する。その波形はどのような特徴を持っているか。その波形の形状は丁度雷の衝撃波形と似たものである。波の先頭部、波頭が急に競り上がりその後はなだらかに波高値が低下する減衰波形の長い波尾長で続く。津波の特徴はその波形の解釈に隠されている。しかも、その伝播する波は海水の質量が流れる訳ではない。海洋の津波には運動方程式の速度を担う『質量』に当たるものがないエネルギー伝播現象である。研究所で津波の水流の強さが実験されているが、それは地上に上陸した後の津波の水の質量の持つ運動エネルギーを実験的に検証していることでしかない。それは特に津波には無関係の普通の水力学の実験でしかない。津波の本質は海洋を伝播するエネルギーをどう認識するかに掛っている。先ず第一の問題は何故そのような長い波尾長の波形になるかの原因を明らかにする事である。それは特に巨大津波の問題として重要である。その波尾長がどのような意味を持っているかを理解する事は巨大津波の到来エネルギー量の意味を理解するための要である。普通の短い周期の波動なら、高い波高が海岸部に到達しても大量の水の上陸とは成らない。堤防で阻止出来よう。しかし巨大津波の特徴は長い波尾長の連続した到達エネルギーが水の質量のいわゆる運動力学に因る水流として上陸する点にある。階段波のエネルギーの長さが巨大津波の特徴である。津波発生源で、そのような長周期波尾長となる波動がどのような状況で生まれるかを考えることが大切であろう。専門家の解説では、プレートの重なり領域で『ずれ』と言う結果が地震により生じるとされている。その『ずれ』にもいろいろの現れ方があるようだ。

『ずれ』と海底亀裂・海底陥没 ずれにも水平ずれや垂直ずれなどがあるらしい。地震時には、陸上でも活断層に大きなずれが起きる。そのずれには大きく口を開けたような裂目もできる。断層帯では跳ね上がりより陥没、崩落が多いように思える。その事が海底における断層帯のプレートの重なり領域となれば、陸上の活断層とは比較にならない大きなずれが起きるものと考える。水平ずれや垂直ずれとその地震時のずれの様相も様々と解説されている。水平ずれと垂直ずれの意味も、その現象の違いを的確に理解できている訳ではないが、自己流に捉えている。垂直ずれの場合はプレートの重なりの断層で、プレートが下方に陥没するものであろう。地震後の地殻の変化は、兎に角地球中心方向へのエネルギー源の供給が成される筈と解釈する。そのエネルギー源の核での燃焼結果の噴出現象が火山活動としての溶岩流や噴火活動となっている筈と解釈する。殆どの地震活動で、震源が海底であれば、海底陥没か海底亀裂を引き起す結果に至る事が多かろう。海底が深ければ、その海底の空間保有エネルギーも大きい。その高エネルギー密度空間で、突然亀裂や陥没が起きれば、その瞬間は急激な真空空間が生まれると同じ状況になる。その空間の時間微分が発生のパワーになる。地球にはその途轍もないパワーでも寝返りを打つ程度の日常的なことでしかない筈だ。

海底亀裂・海底陥没と引き波(津波前の)と津波波動波尾長 巨大津波が襲来する場合に、必ずしも引き波があるとは限らないが、引き波があったら巨大津波が襲ってくると考えなければならない。巨大津波はその海洋伝播波動の波頭値だけでなく、その波尾長の長さがエネルギー量の大きさを持っているのである。波尾長が長いと言う事は、海岸に到達した場合に、押し寄せるエネルギー密度が長い時間に亘って途切れなく押し寄せ続ける訳であるから、どこまでもそのエネルギー量を陸に向かって流し続けることになる。止めようがないのである。水の保有エネルギーは全体が慣性体として働くようにとても避けられるものではない。海底亀裂・海底陥没が大きければ、その衝撃波の影響は海の全体に及ぶ。それが震源地に海水を引き寄せる引き波として海面のあらゆる方向へ伝播される。その引き波現象として引き寄せられる水の周期が津波波動の波尾長の長さや波頭値に現れるのである。

海洋の津波波形 津波源から海洋を伝播する津波波形は図のようであろう。この伝播現象の特徴は波頭の海面の立ち上がりとその波尾のなだらかに減衰する波形にある。その海水面より高いhoの海水は進行方向に流れる訳ではない。順次水面が上昇しなだらかに下降する、上下運動の海水の波である。海水は基本的に運動エネルギーを持たないエネルギー波の伝播媒体である。海水面の高さだけ平常面の海水の圧力エネルギーが海底まで増加した、圧力エネルギーの進行方向への縦波伝播現象と看做せる。しかしこの圧力エネルギーが海岸の浅瀬に到達すると、圧力エネルギーでエネルギーを保持できなくなるから、水の質量mの進行方向への運動エネルギーにエネルギー変換されることになる。それが津波の上陸の波動になる。この海洋の津波波形を産む原因が地震震源域の海底陥没や海底亀裂に因る突然のエネルギー欠損空間の出現であると考える。その欠損空間エネルギーを目がけて海水の突入現象が起き、海洋に引き波が伝播する事になる。海水全体が一体的な慣性流体のつながりの運動として引き波となる。その引き波の物理現象をどのように解釈するかの問題であろう。

引き波の物理現象 (2020/03/8)追記。この引き波という意味は津波が到達する前に、海岸で海面が海への引き波によって引き下がる現象のことである。この引き波の物理現象をどのように解釈すべきかは未だ思案の中で、捉え切れていないが取上げる。巨大津波の発生原因となる引き波の物理現象を認識する事が大事だ。単発のプレートの運動に因る海水の跳ね上げで巨大津波が発生するとは感覚的に理解できない。水の力学は水泳などで感覚的に感じ取れる。信濃川の遊びで、アユや鮠(ハヤ)のあの俊敏な泳ぐ速度を見るにつけ、水の慣性体としての不思議を思わずにはいられない。こんな水に対する感覚が津波現象への筆者の解釈の基になっているようだ。海底陥没に因る高密度エネルギー空間の欠損空間出現(真空状態)が津波発生の源となり、そこへの海水突入が海洋波動伝播現象としてに広がる。その波動到達海岸で引き波が観測されることになる。海岸では水が海洋に流れゆくように、海底が現れる。しかしその水が津波源まで流れて行くと解釈するべきかどうかは、未だ納得しかねている。水のエネルギー欠損を補うように移動するだけであるかとも思う。津波波動の波尾長を決める水流は津波源の周辺からの流入量でほぼ決まろう。海洋周辺から津波発生原(地震震源地)への、その流入量を決めるのは震源地の海底陥没あるいは海底亀裂の体積とその時間的体積微分値のパワーである。それが基本的津波の大きさを決める要因である。引き波(津波発生原因としての)の物理的伝播現象は残された課題でもある。津波上陸後の引き波は普通の水力学の話であるが、その意味とは異なる。

東日本大震災(2011/03/11)の津波 海洋研究開発機構(JAMSTEC)が2017年に日本海溝の調査結果を発表している。それは海底のずれが65メートルであると報告されている。そのずれの意味を陸側のプレートが海洋側へ水平にずれたという意味と解釈する。その報告のずれがどのような訳で、あの巨大な津波を引き起した原因となったかを考えた。日本海溝は太平洋プレートが日本列島のプレートの下に入り込んでいる。何故陸側のプレートが太平洋側にずれを生じたかに、その地震の持つ意味を理解する重要な鍵が隠されているように思う。プレート境界が地震の震源となる場合に、巨大津波が発生する可能性が多いのではないか。今回の陸側が太平洋側に65メートルずれたとしたら、それは地震震源の太平洋プレートが大きな領域で地殻陥没が起きたからであろうと解釈する。地球の内部がどのように成っているかは分からないが、相当大きな空洞が出来ているものと考える。地殻が陥没するのは空洞があるから当然と考える。その結果が地震であり、海底地殻陥没が巨大エネルギー空間の欠損を産み、そこへの海水流入が巨大津波を産む原因であると考える。65メートルの地殻のずれと地震震源域での海底亀裂も報告されている。海底亀裂がどの地点に生じたかは知らないが、ずれた陸側プレートの上であるのかとも考えられる(?)。

 

 

雷の正体

(2020/06/11) 追記。ドアノブの火花―熱電変換― (2014/02/09) および雷は熱爆発 (2014/05/23) で雷現象の『電荷』の正体は熱エネルギーと同じものである事を述べた。Friction heat and Compass (2020/03/22) に熱と磁気エネルギーとの関係を印した。The electron did not exist in the world.  (2020/03/22) 。

正体と言う言葉の意味は、「表面的に捉えにくい隠れたその現象の本質」と言う位に解釈している。雷の本質は電荷に基づくとの解釈が専門家や電力技術者の間での科学常識である。ここでは、その常識に反論する事を記すのが目的である。雷は電荷には関係ない。この雷は『電荷』には・・の意味に戸惑う方は、『電荷』と言う虚像を後でご覧ください。『電荷』は実在しないと言う意味。単に『エネルギー』に因る現象と捉える論説である。 上の絵図のように、雷とは光の稲妻と言えよう。先ず雷の特徴を拾い出してみた。雷とは必ず雲の存在が基に成っている。科学論で、雲が発生すると何故『電荷』が関わると解釈するかと言えば、それは「稲妻」の放電と言う用語の解釈が基になるからであろう。稲妻放電は何も電気の放電現象でなくても、火花の光放射が電気現象での、放電のフラッシュオーバーと全く同じものであるからであろう。

 

 

消された図を載せる。何故この図が消えたのか?

電気現象を二つほど拾い上げておこう。火花の光放射の様子は雷の現象と同じものである。電気工学が『電荷』の現象と捉えている訳だから、雷が電荷の現象と解釈するのは当然である。しかし、雷の特徴を考えたとき、なんで電荷によると考えるかを改めて見直さなければと思う。そこで、『問答』形式で考えてみよう。その前に、雷に関する過去の記事を挙げておこう。電気現象と捉える「高電圧工学」の衝撃電圧波発生回路と波形の微分方程式解法の論理的矛盾を論じた。雷と指数関数 もう一つは光と質量に関する論である。雷と不立文字『問』 ①雲が必ず必要である。の訳は?『答』 雲の発生と気象変化。空気中の水蒸気と上空の冷気との出会いが雲をつくる。雲は空気中の水蒸気を水にする現象である。水蒸気は水分子が熱エネルギーにより体積膨張した気体である。上空の冷気で体積が収縮し熱エネルギーを上空に放出する。水蒸気の体積収縮が上空の低気圧を生み、地表面からの高圧・高温空気の上昇気流を生み、地表の周辺に対する低気圧状態になる。水分子におけるボイルシャルルの法則の自然現象の具体例である。同じ意味の繰り返しですが、雲の発生空間領域は、地上からの水蒸気含有空気の連続補給を要請する。供給水蒸気の保有熱エネルギーは、水の中に留まる事は出来ず、放出せざるを得ない。どこに放出するか。雲海近傍の空間に放出せざるを得ない。雲の発生空間がそのエネルギー放出領域となる。大気中の水蒸気について、参考に水蒸気密度の式ー大気中ーを見て頂ければ。

『問』 ②雲の下端が、雷の発生起点となる訳は? 『答』 上の解釈から、その下端近傍がエネルギー放出領域である事からの道理となろう。

『問』 ③、④エネルギー発光空間と放射光。の訳は? 右に稲妻の放射発光源の一部を取りだして、その意味を考えてみよう。フラッシュオーバーと言う発光現象は屈曲した筋状の光放射軌跡を描く。我々がその光の筋を観察すると言う事は、光が我々の目に放射されて、届くから見えるのである。稲妻は光を全方位に向けて、光エネルギーを放射しているのである。こんな稲妻と放射光の絵図で取り上げたかった事は、(何が光になったか)という物理的意味を考えたかったからである。 何が光になったか 光は日常生活で、世界を認識する基本物理量である。科学論では、光子、光量子等の用語で捉える光一粒との観方が基本になっている。その光について、『光一粒は何が変化して生まれたか』を説明できなければ、科学論として完全とは言えまい。『電荷』論に因る限り、おそらく説明は出来なかろう。結局『光』とは何かが明確に認識できなければ答を得る事は出来ない。『振動数あるいは周波数』で光を認識することは実験的な観測、測定の手法としてそれ以外の方法が無いから、止むを得ないのである。実験的に共通理解の判断を求められる事から、止むを得ない物理量概念が「振動数」である。しかし、その科学解釈論の依存概念である「振動数」は光一粒には無い。物質、原子あるいは分子から光が放射される時、その状況は光一粒ずつを単独に放射する訳でなく、エネルギーの放射形態が近傍での協調性を保ちながら全体で周期性を持って放出するから、次々と光一粒の連続的な放射が繰り返される、その状況を観測することになる。だから実験に因る計測上で「周波数、振動数」として捉えられるだけである。「振動数」が科学論の基本概念として重要であると言うのは、それは科学的な実験上の単なる「便宜的認識手法概念」でしかないと見做さざるを得ない。以上の光の基本解釈の上で、光は何から変化したのか?を問うのである。光の速度を考えれば、その光一粒の空間的実像を観測し、把握するなど無理である。計測器はそんな光の実像を捉えられないのである。せいぜい「振動数」と言う繰り返しの波としてしか観測できない。基本的認識で、自然界は極めて単純であり、単純さ故に複雑な様相に変幻自在な姿を生みだす。という観方(私はこの用語を目で見るのでなく、自分の勘・感性・心と共鳴すると言う意味で使う)に従う。光は『エネルギー』そのものの究極の姿である。何も他の物から変化するのでなく、エネルギーそのものの一つの自然界の巡り来る姿である。雷の本質がエネルギーである事から何も不思議な事ではないのである。実験的に観測は出来ないが、「振動数」から解放された『光一粒』の実像認識を示した。光とは何か?-光量子像― 。「振動数」を実際に測定する方法がある訳ではなかろう。計測上の実験的手法・解釈法での便法でしか無かろう(2013/08/19)追記。 稲妻の光の軌跡が何故細いのかについて考えたい。(2013/08/19)現在のところ、未だ答えが得られていない。ただ『電荷』で解釈することには無理がある。空間を『電荷』がどのように移動して、プラスとマイナスの『電荷』間でどのような物理現象により、光発光現象へのエネルギー変換が可能なのかの説明が出来ないから。『電荷』中和現象なのか、それ以外の『電荷』間の変換現象なのかの解釈が出来ないから。『光』変換後の『電荷』はどこに行くのか。素粒子論の論理性を尋ねる『問答』である。

水蒸気密度の式ー大気中ー

水蒸気の法則として「ボイル・シャルルの法則」に関する記事を書いた。しかし、それは間違いかもしれない。気付いた事は、飽和水蒸気圧と言う意味が蒸気機関の場合の特殊な事例にしか当てはまらない事である。日常生活とは何も関係の無い式を提案した事になる。そこで、大気中即ち1気圧での水蒸気を考えた。それは飽和蒸気圧p(t)は大気中では常にほぼ1気圧であるから、大気中の温度には全く無関係である。そこで、上の水蒸気密度およびその算定式は改めて、気象庁の水蒸気密度のグラフから式を導出した。その計算結果のグラフと式である。データはt=10℃と30℃の値を使い、式を導出した。理論的意味は算定式には無い。ただ、比較的気象庁のデータに近い水蒸気密度の数値が得られる。その気象庁のデータがどの様な意味を持っているかも理解できないまま利用した。大気圧中の飽和水蒸気密度と言う概念も理解できない。また、氷点以下でも水蒸気密度が存在する訳も理解できない。氷点下では氷になると言う水の解釈とどのような整合性を頭の中に取れば良いかが分からない。以上急いで、前回の「水蒸気の法則」の記事の曖昧さに対して、訂正の意味を込めて、ここに記事とした。

水蒸気の法則

(2012/10/01) 追記。p(t) と言う水蒸気圧は大気中に於いては何の意味も持たないのである。大気圧は常に、1013[h Pa](=99.3[N/㎡]) の1気圧前後の値である。大気圧下での水蒸気密度は、水蒸気密度の式ー大気中ーに述べた。

昨日、水蒸気に関する発見的法則を得た。それが上の図式の(9)式である。気体についての古い法則は「ボイルの法則」が有る。物理学理論で、現代は気体に関して「気体分子運動論」が支配している。20世紀の初頭から、気体分子論で運動エネルギーとしてみなす理論が主流となって、現在に至っている。それは『温度』の意味の解釈にも反映し、高等数学に依存した難しい物理学になってしまった。『温度とは何か』が問うもの でボイル・シャルルの法則と温度について述べた。『温度』は物理量ではないと言う認識で、私は捉えている。風とは何か?渦巻の法則。などを考察している内に、『水』の自然現象における重要な意味合いが見えて来た。その結論として、今回の「水蒸気の法則」としての分かり易い数式に到達した。『津波現象』も水の成す大きな自然の姿である。『水』に日常生活でとても大きな関わりを持って生きている。物理学、理科教育で日常生活に関する市民の科学認識の為に、『水』に関する教育が欠かせないと痛感する。

法則としての(9)式の意味 気体分子運動論ではボルツマン定数やアボガドロ定数あるいは1モル等が基礎知識として要求される。しかし(9)式にはそんな物は一切必要ない。水蒸気も気体分子としての自然現象を担う。(9)式はボイルの法則で、圧力と体積の積が 「p×V=一定」の意味に対して、体積 V に相当する物が水蒸気密度 ρ(t) の逆数で入っている。即ち、水蒸気1キログラム当たりの体積がそのVに相当する。温度によって水蒸気の量、質量Kgが変化する訳であるから、逆に水蒸気の単位質量 1Kg 当たりの占める体積が変化する訳である。だから、ボイルの法則の体積 V [㎥] が温度により膨張・収縮する現象を、その密度の逆数として式に含まれていると見做せる。

飽和水蒸気圧と式の修正提案

(2012/10/01) 修正と追記。大変な勘違いで作成したものである為、上のグラフを削除させて頂きます。日常生活に於いて、飽和水蒸気圧と言う概念は存在しません。水が大気圧の下での蒸発現象には p(t) と言う気温t℃における圧力はすべて、1気圧であるから、蒸発現象に影響する圧力の意味は存在しない。すべて大気圧である。なお、密度の数値も間違いである。その事は水蒸気密度の式ー大気中ーに訂正の意味を込めて述べた。

先ず、日常生活での温度範囲の水蒸気圧と水蒸気密度をグラフにした(考慮不足の、早とちりによる間違いですので訂正します)。以降の記事は、『蒸気機関』におけるのボイラー等についての温度と水蒸気の関係の解釈です。密度の算定式で、風とは何かー水と温度ーの記事で、(4)式として一度修正した。上のグラフはさらに、再修正した(5)式による計算数値である。

飽和水蒸気圧算定式の修正 しかしその水蒸気圧算定式の意味で、算定根拠が不明であったり、数値的な修正の必要性を感じる。その修正の必要性を上のように考えた。この修正式での計算値は、少し誤差を伴う。100℃での水蒸気圧は1012.86 [h Pa] 、水蒸気密度は7.41 [Kg/㎥] でほぼ満足する。ただ特異点の「臨界点」374 ℃、225気圧での数値に誤差が大きい。374℃で、水蒸気圧211気圧、密度902 [Kg/㎥] となり、1 [ton/㎥] と比較して誤差が少し大きい。しかし、ほぼ実用的には満足できる算定式と考える。

修正第2式 水蒸気圧の式が常用対数形である。自然現象の計算では、自然対数形が多い。自然定数での計算が基本計算となっているから、それに合わせて水蒸気圧算定式をもう一度修正した。p(t)=9.37e^(17.475×αt/(αt+1))^ [h Pa]  を提案する。t=374 ℃の臨界点でも225気圧、密度が961.9 [Kg/㎥] と標準値に近い。飽和水蒸気圧についてITで検索した算定式を基に考察を加えて、式の修正をして来た。数式で現象を表現する場合、その次元を常に考える。今回の水蒸気圧等の数式はその次元で不明な事が多い。そこで『次元解析』としてその次元を考えた。

風とは何か-水と温度-

渦巻の解剖に取り組んで、その基本が風のような流体の圧力分布差にある事に気付く。暫く水についてその温度特性から考えて、風の原因を探りたい。(2012/11/06) 未だ渦巻の解説をするだけの結論には到達していない。

(2012/09/24)  飽和水蒸気圧と式の修正提案。で算定式を改善して提案した。この記事で述べた「飽和水蒸気圧、蒸気密度の温度特性」の算定式(1)、(2)および(4)式は(6)、(8)および(7)式として修正提案しました。

(2022/05/06) 文中の追記事項。「(2012/09/21)  風の起因・原因 を追記。(2012/08/21)  水蒸気温度特性 をグラフで追記。(2012/09/06) グラフの意味の観方の注意点を付記した。(2012/08/17)  蒸気(p-V) 線図への疑問 を追記した。」

「入道雲」は夏の風物だ。しかし、その穏やかで、形状の独特な滑稽さに富んだ景観も余り目立たなくなってしまったようだ。真夏の澄み切った青空を背景に、深い森林の山の上に、モクモクと立ち昇る真っ白い雲。「入道雲」その呼び名もなかなか風情がある。入道とは仏教用語の坊主頭の化物という程度の意味のようだ。如何にも滑稽さを言い表していると感心する。その「入道雲」は森の放出する水蒸気が故の上昇気流という風の生み出す現象である。夜間には出来ない。暑い夏の日中に、強い太陽光で森の水滴が水蒸気となって膨張する為に生じ、上空の冷気に触れてその水蒸気が凝縮して水滴となる。その水滴の集合状態が「入道雲」というものであろう。水p-V線図『風』はその生み出す原因が水と温度にあると解釈しなければならないだろう。『水』その不思議が生み出す現象だ。

水の蒸気線図 その水の特性の特徴は蒸気線図に表される。火力発電や原子力発電の水ー蒸気サイクルの特性図である。風の基の気体は空気である。空気の中味を考えれば、酸素、窒素あるいは炭酸ガス等であるが、忘れてならない物に「水蒸気」という隠れた水の存在である。水分は、空気中の含有率を湿度という計量値で評価される。その水は他の気体とは異なる点で、特別の働きをする分子と考えたい。分子構造は H2O であるが、その分子結合の解釈で、気体膨脹特性を考えても、特別の温度特性を呈する様で、いろいろの事柄が頭の中で絡み合い、断定的な結論に到達できない。そんな事から、水を含めた気体の温度特性を考える時、『分子運動論』が物理学理論の温度特性の根幹として解釈されているが、それは余り当てに成らない理論と考える。普通の分子ならほぼ理想気体に近い特性で考えて良かろう。しかし、水や水蒸気を含んだ気体については、とんでもない温度特性を現わすと考えるべきであろう。その意味で、上に挙げた蒸気線図が、その事を考える基本に必要と思って示した。蒸気線図と風の関係は余り考えられていないと思う。

ボイル・シャルルの法則 理想気体は、その圧力 p 体積 V および温度 t の間には、ボイル・シャルルの法則が成り立つ。その特性は、一定温度で加熱する時の p と V の間には反比例の特性で変化する。この特性と上の水蒸気の特性を比べれば、その違いが分かる。この特性の違いが、空気中の「湿度」という水蒸気の温度特性が如何にも「入道」的な化け物特性を現わすと考える。その化け方が『風』の隠れた基にあると解釈する。(図の温度について、絶対温度T とt の関係を訂正)。

火力発電所系統図と蒸気線図 理科や物理学の教育では、子供たちの日常生活に関わる具体的な事象と相当かけ離れた「教科内容」が取り上げられ、子供たちの興味を得ると言う点で「不合格な内容」が多いと言わなければならない。余りにも、古臭い内容の決まり切った物に固執している。出来るだけ私自身が、疑問に思う内容で、日常目にする自然現象を技術の面を踏まえて考えてみたい。発電所と蒸気線図そこで、火力発電所の系統の設備と利用する『蒸気線図』との関係を参考に示しておきましょう。簡単に説明すると、発電所の設備のそれぞれに対応した蒸気のボイラー加熱と、タービンでの断熱膨張(蒸気による機械的仕事)、更に復水器での海水による蒸気冷却等の各過程での蒸気線図に対応する部分を色分けして、表現してみた。矢印の方向に蒸気の過程・状態が変化する。この線図はある水の部分が蒸気線図でどのような過程を辿るかを示したものである。実際には、タービンを回す蒸気は連続的に流れ続けているのである。このような水の温度特性は『風』の水蒸気とは直接何の関係もない。しかし、海の温度上昇で、空気中に含まれる水蒸気が増加すると、冷却時における、その水の特徴が過熱と逆の効果で、気体の体積変化に特別の状況を生み出す。それが蒸気線図の『復水器』での蒸気冷却現象と同じ事を引き起すのである。その局部的冷却現象は、強い『風』を生みだす原因なのである。ここで、一つ気掛かりな点がある。復水器での冷却時の蒸気の変換過程で、6から1の圧力pが一定であるとなっているが、その点は本当かな?と疑問符付きである。圧力一定と言う制御は無いから。しかし、法則や解析は必ずしも正確な物でないと考えれば、大よそ我慢できる技術論と看做せよう。

気体の飽和蒸気圧 空気中の気体で『風』の原因の基に成るのが水蒸気であろう。気温は、摂氏マイナス数十度から、ほぼプラス50度程度の範囲にあろう。その温度範囲で、状態変化が激しい気体・物質が水であり、水蒸気である。水の飽和蒸気圧は検索して調べると、指数関数式で温度対飽和蒸気圧の関係が示されている。生活温度範囲で、激変する水を考えると、分子気体論の基礎定数である「アボガドロ定数」の概念を改めて考え直さなければならないと思った。そこで、 アボガドロ定数とは何か でその定数への疑念を述べた。そんな気体論の原理的基礎概念さえ、余りにも古典的で、時代遅れの内容と原理原則論の曖昧さと矛盾と思うが故に、子供への教育内容としての不適切性を指摘し、早急な正常化の必要性を指摘したかった。さて、水蒸気も空気中の分子である。その飽和蒸気圧を検索される式から算定すると、トリチェリの真空と水蒸気圧との関係で考えなければならない点が浮かんだ。数日間蒸気について考える内に益々理解出来なくなった。そこで次の記事になる。

(2012/08/17) 蒸気 (p-V) 線図への疑問 を追記。 上に示した火力発電所の蒸気(p-V)線図の意味が理解出来なくなった。ボイラーでの水蒸気加熱過程(2および3から4および5の過程)で、蒸気線図は圧力pが一定で体積膨張する表現の図である。確かに、給水ポンプで加圧してからタービン入り口までの蒸気系統内の圧力は一定であるように思える。その圧力からタービンの出口までの圧力の開放で蒸気の体積断熱膨張が仕事をする訳である。こんな解釈で、何となく理解出来たと思って、『火力発電所』の蒸気の働きを工業高等学校で教えていた。しかし、先日から蒸気の気持ちに成ろうと思いを深めている内に、どうも間違っていたようだ。蒸気線図の3から4までの圧力一定の加熱過程が何を表現しているかと考えてみた。水と蒸気との割合を湿り度、乾き度と言う表現で横線の寸法で蒸気の飽和するまでを言い表していると捉えて、納得していた。その状況は一体何を表現しているかと改めて考えると、意味が無い事に思える。即ち、ボイラーの中で水が加熱されて、一定圧力のもとで、体積が膨張するとは「何の体積」が膨張すると言うのだろう。一定圧力で、ボイラ内の閉鎖された限定空間内で何処に膨張する空間の余地があるのだろうかと疑問を抱かざるを得ない。膨張するのはタービン内での仕事の為であるだろうと思う。だから、蒸気の変換過程をどう解釈するかと言えば、水の分子が熱エネルギーによって膨張しようと水蒸気化する、しかし限定空間内で高温・高圧水蒸気となり、体積膨張なしに高エネルギー密度蒸気としてタービンでの仕事の断熱膨張に資する。ー高密度エネルギー水蒸気とは、ボイル・シャルルの法則で、pV[J] の水蒸気一粒のエネルギー量と解釈する。その体積Vが膨張できずに、分子圧力pの増加となる。それは、pV=kT [J] (k[J/°k]はボルツマン定数。T[°k]は絶対温度)と言う式が有名であるが、これは水分子一粒のエネルギー表現であるので参考に付記ーそんなところに考えが落ち着いた。だから、蒸気線図は水の分子一粒の状態変換過程を考える線図でもないと思う。では何を表現しているかと考えた時、線図で意味する内容が良く理解できないのである。以上が蒸気線図への疑問と自分なりの解釈である。これを『問答』の一つの例として挙げたい。

(2012/08/21) 水蒸気温度特性 をグラフで追記。 (2012/09/06) グラフの意味の観方の注意点を付記した。

水蒸気圧・水蒸気密度の温度特性 上の蒸気線図への疑問から、水蒸気の温度特性を調べた。IT検索で水蒸気に関する計算式の存在を知る。水蒸気温度特性少し計算して、水蒸気圧の計算式が誤差も無い結果になると安心した。しかし、水蒸気密度だけは計算結果に大き過ぎる誤差のある事を確認した。更に、上の水蒸気温度特性の示すグラフ値は飽和水蒸気圧線であり、

 

 

飽和蒸気圧線の図の意味 その曲線が水と水蒸気の状態の境界線である。その事を改めて示すと、右の図で示す通り、青色の液相(水)から突然気相(水蒸気)に変換すると解釈できる。しかし、この図を眺めると、その表現する内容が誤解される点が有る。解釈上の注意点グラフの飽和蒸気圧線の左側の青色の領域ー液相(水)-については、圧力も密度も数値的な意味を持っていないのである。意味を示すのは赤色の水蒸気に対してのみである点を御理解頂きたい。この特性表現には誤解し易い点が有り、不適切なグラフと思う。青色の水の領域の密度はその全体で、殆ど圧力に関わらずほぼ一定の 1 [ton/㎥] と解釈して良かろう。以上水蒸気温度特性の解釈上の注意点です(2012/09/06 に気付いた不明をお詫びし、付記しました)。このグラフ表現での注意点が、グラフ表現と基準ー時と位置ー

で指摘した事の問題でもあった。各温度での液相、気相転換における蒸気化熱エネルギー(気化熱)の値が異なると思はれるが、その点は不明である。飽和蒸気圧線の意味を少し説明した。また、水蒸気特性計算式上のグラフの計算式の意味を纏めたので示す。普通は水蒸気圧と言えば、0℃、標準大気圧を基に、大気圧下での沸騰点がほぼその考察領域であろう。だから、臨界圧等と言う日常の経験からかけ離れた水蒸気などは考慮されなかったのであろう。「カルノーサイクル」と言う蒸気機関の利用水蒸気領域に考えを及ぼせば、臨界点の観点に考えが及ぶと思うが、その事が考慮されなかった事をむしろ「何故」かと問う事が大切かも知れない。以上で、水の熱特性から考え直して、ようやく『風』の意味に水蒸気からの解釈が出来るかと言う自分なりの基礎の論点に辿り着いたように思う。

(2012/09/21)追記。 風の起因・原因 水蒸気の大気中の振る舞いに起因・原因を求めた。

当たり前の事であるが、風は大気の圧力分布差が発生原因である。しかし大気の圧力分布の原因が何であるかを正しく認識しているかと自分に問わざるを得ない。地球を含め太陽系全体のエネルギー分布環境が影響していると言えよう。地球上の大気に視点を絞れば、その大気の圧力差を生む原因を「水蒸気・気温」の分布に求めて良かろう。大気の構成分子は窒素、酸素あるいは炭酸ガスから成っているが、水・水蒸気の温度特性が極めて大きく関わっていると考える。水蒸気の空気中の温度特性における特異性が大気圧力の分布差を生みだすと解釈する。水蒸気だけが気温に対してその体積膨張の特異性が甚だしい。水の温度が高く、気温が高ければ水蒸気の大気含有率も高くなる。その大気が上空の冷気に触れた時、忽ち水蒸気の気体分子が水滴になり、その大気の急激な体積収縮を引き起す。上空の圧力低下により、急激な上昇気流を引き起す。周辺から大気の巻き込みに発展する。大気圧の分布差を解消するための大気流が生まれる。風の起因・原因は水蒸気にある。水分子について、大気中における「アボガドロ定数」の物理的理論は成り立たないと解釈する。そこで、前もってアボガドロ定数とは何かで疑問を述べた。

大津波の発生原因を探る

(海底沈没に関する計算式の追記。2013年2月7日)少し海底陥没に基づく津波エネルギーの強度計算をした。道草問答(5)津波と真空破壊力

(引き波に関する追記 7月8日) 大津波の主原因を、震源地の海底の地割れと解釈している。-7月6日23:23時の産経ニュースに、激しい引き波、海底露出、南三陸町の住民撮影ーと言う記事で海底露出の写真が載っていた。しかし気になる点が有る。3月11日午後5時23分(遠藤さん撮影)と言う時間について何故かと気になる。5時過ぎであれば、津波の襲来以降の引き波と言う事になる。それなら、津波の引く状況を海岸で撮影した事になる。津波の襲来に合わずに、津波の引き波を追っかけて来て、海岸線で撮影した事になる。もし、時間が15時23分ならば、私が指摘する、大津波の主原因の引き波と解釈できる。震源地での海底の地球の巨大な強力パワーによる真空地割れ空間が生じて、その真空空間吸水エネルギーが海水を猛烈に吸い込む事になり、それが海岸線まで波及すると見るのである。その現象が海岸線での海底露出の引き波である。もし今回の『産経ニュースの写真記事の時間が15時23分』ならば、津波主原因の引き波の証拠と観たい。

(2016/11/25)追記。震源域の深海底に亀裂 その海底亀裂が巨大津波の発生原因である。

(追記ー2011/05/24)この項は エネルギーで見る世界ー津波ー 以後の地盤沈下を見ての解釈を書き記した。前に『奥尻島沖地震』から大津波の原因は地震地点での海溝の陥没か大きな地割れが主原因と観ていた。その後に、スマトラ島の大津波を見てその観を強く抱いた。しかし今回の日本の大津波については、沿岸部の陸地での地盤沈下が大きくテレビで報じられていた。だから地震地点の海溝の地割れは『津波の主原因』ではないのかも知れないと解釈した。しかし、その後のいろいろの報道から考えて、やはり今回の「大津波の主原因」は地震震源地の海底における『大陥没・地割れ』であろうと解釈する。それはその海底の調査しか明らかにする術は無い。大きな波高値の海面上昇は海底沈没に拠る、その地点の海底の水圧エネルギーの大きさを考えれば、その海底に地球の地殻変動力で1㎥の『真空空洞』が出来たとしたら、どれだけの『瞬時エネルギー』を発生したと考えれば良いでしょうか。『真空空洞』は人力で想像することだに無理な莫大なパワーなのである。それ以外あれだけの津波災害を引き起すパワーは世界に考えられない。自然の力は人間など及びも付かない世界を秘めている。

『詩心・・』第158号 水 その実相 に津波が海底陥没に拠ると言う記事を書いた(2005.1.20)。その図を再掲する。今回は、説明なしで図のみを示す。さらに、2004年12月26日の「スマトラ島沖地震(マグニチュード9.2)」の大津波の原因として、私の解釈を裏付けると考える新聞記事の写真を載せさせてもらう。それは『朝日新聞記事、2005年3月30日付』に載った記事である。