電界と絶縁破壊

(2024/04/07).

 標題を見れば、電気磁気学の初歩の講義内容のようで誠に申し訳ないような気持ちだ。先日も、高校生の運動中に雷が落ちて、恐ろしい事故となった。言葉で〈雷が落ちた〉とはよく使う表現だ。〈落雷〉とも言う。しかし⦅雷⦆が落ちると言うような事は無い筈だ。天から何か⦅雷⦆と言う怪しい者が落ちて来るような意味に取れるが、そんな事はない筈だ。確かにそのように言いたい程⦅雷⦆と言う現象は意味が分かり難いのだ。いや、一般の人も電気の専門家も良く分かっていると思っているだろう。それは今でも、電気の話と成れば、必ず『電荷』や『電子』によってその物理学理論は解説され、授業で教えられるているから。しかし本当の自然世界には、そんな『電荷』や『電子』などは実在しないのだ。教科書も教育も間違っているのだ。〈雷〉の意味が解らないように、電気に感電すれば心室細動が起き、命も失うように恐ろしい事が起きる。雷はそれ程、意味の分かり難い物理現象を引き起こすのだ。雷の正体 (2012/11/13) など過去にもいろいろ書いた。

 考えて見たら、結局物理学理論が科学者向きの特殊な難しい解釈法に成っていると言う事だ。様々な概念を創り出し、自然世界に『電荷』等と言う特殊な物理量が実在する訳など無いのだ。簡単に言えばそこに根本的解釈の間違いが有ったのだ。『電界』とは何か?電気磁気学理論の基本である、『電界』や『磁界』と言う理論用の概念の物理的意味を明確に認識していないところに根本的間違いがあった。

 高圧送電線路。500 [kV],1000[kV]等と言う超高圧送電線路もある。鉄塔は大地に立てられているから、アースだ。電線が3本で3相交流回路を構成し、アースの鉄塔と電線は磁器碍子で絶縁支持されている。電線間も間隔が広く、空間の絶縁距離が大きく取られている。送電線路は電圧が高く、その電線間の絶縁を空気によって保持している。空気の電気絶縁性能によって、送電線路は成り立っている。

 さて、空気の空間は電気磁気学理論とどのような関係に在るだろうか。理論では、『電界』と『磁界』、記号で E[V/m] 、H[A/m] 等と電圧の単位[V]、電流の単位[A]が基本となって理論が構築されている。空気の絶縁性能は、その空間に『何か』が存在する事で、その空間の状態が変る意味を評価する事だ。影響を与える物は何か。その『何か』が原因で絶縁が破壊されて火花のアーク放電障害の故障を引き起こすのだ。空気中の何が『電界』と言う物理的評価量の基に成っているかを認識する問題なのだ。

 空気の空間の物理的解釈法の手法に、真空透磁率と真空誘電率がある。この定数は自然界でどのような意味を持つか。それは自然科学理論を展開するに極めて重要な意味を持った定数なのだ。自然世界は「光」に支配されている。太陽光線が無ければ地球も存在しない。光の物理現象は空間の定数に因ると解釈して良い程、重要な基本定数だ。光速度 co [m/s] も空間伝播する『エネルギー(電磁波)』[J] の伝播特性もこの定数によって決まるのだ。その関係を示したのが上の図だ。この定数の空間長さ[m]はどの方向の意味を指すでしょうか?それは『エネルギー』の伝播する方向の距離[m]です。丁度電気回路空間内の『電気エネルギー』の伝播方向の長さと同じ意味だ。

 さてそこで、『電界』と絶縁破壊の空間内の物理現象の意味になる。それが『雷』の意味の解釈につながる。『電荷』など関係ないのだ。右の(A)図は球電極を1cm離して、電圧30[kV] を掛けたのだ。その電界 E=30 [kV/cm] となる。空気はこの電界になると、空気の絶縁が破壊して、火花放射現象に至る確率が高くなる。この電界は空気の状態に『何』が起きた事か。物理学や電気の教科書の解釈は『電荷』が原因で火花放電に至ると解釈される。雷では「雷が落ちた」等と言うことになる。この解釈が科学的常識論に成っている。
 しかし、『電荷』のどの様な訳で火花の放射現象になったかについての論理的説明が出来ないのだ。光になったのは『何』か?雷様が落下して、光に成った訳でもなかろう。専門家も『電荷』が衝突するとが光に成ると言う物理的現象の説明が出来ないのだ。『電荷』が光から構成されていると言う理論・訳でも無い。

 『電荷』による科学論では、深く具体的にその詳細を追究すると、何も答えられない曖昧な解釈の押し付けで済ます事になっている。論理性のない、意味不明な「クーロンの法則」の表式で。

  図(A)の球電極ギャップに火花放電が起きる原因は、その空間の『電界』と言う電気概念の正体が実はその空間内の『エネルギー』の分布状況を評価した技術量なのだ。『電荷』など無関係なのだ。その意味を(B)図に示した。球電極の負側の電極近傍空間に、密度が高い『エネルギー』分布が出来る。同じ電圧でも、空間ギャップが大きければ、『エネルギー』密度が小さく空気の絶縁性を脅かさないから、火花放電には至らない。

  電界とは空間の『エネルギー』の分布密度勾配の強さを評価する技術概念だ。『電界』が『電荷』に因る等と言う誤った電気磁気学理論が根本的な間違い理論なのだ。自然はそんな複雑な物理量・概念は持ち合わせて居ない。人間が、研究者と言う専門家が解釈用に、理論用に仮想的に創り出した概念でしかないのだ。

 図(B)のエネルギーの分布形状がどの様になるかは、実験的に観測できないから、検証できるような図は示せない。あらゆる電気現象を広く、それぞれの人が深く経験して、認識を深めて到達するより外に、真理に到達することはできなかろう。それは結局哲学になる。

 雷の火花放電に至る空間の現象を、よく観測して、光が何故『電荷』から発生するかの訳を明確に理解するより外はない。『電荷』に論拠を置く限り、論理性はそこには見えない筈だ。〈雷〉の物理現象を理解するには、海から蒸発する水蒸気の『熱エネルギー』の行へと上空の冷気との関係を総合的の捉えて、解釈する必要がある。『熱エネルギー』が何処に消えるかを理解して欲しい。光も熱も同じ『エネルギー』であることを知らなければならない。

 電気磁気現象はすべて、導線内を流れる『電子』等と言う妄想理論には無関係である。すべて光と同じ空気の空間を光速度で伝送する『エネルギー』の流れであるのだ。その『エネルギー』に対する空気の絶縁耐性が火花放電を引き起こす原因である。『エネルギー』分布の空間分布密度勾配が『電界』の意味でもあり、その強度が絶縁破壊の原因となり火花放電となるのだ。こんな話は余りにも、日常生活的で、科学論文にも成らない市民的話題だ。
 
 筆者も、大学学部の卒業研究の課題が『炭素電極ギャップの放電電圧特性』であったと、薄々覚えている。少しは高電圧は馴染みがある課題だ。

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