津波の物理

 日本列島は地震災害が多い。とても恐ろしい。能登半島の皆様には、一日も早く困難を乗り越えて、平安が取り戻せることを願います。

 津波の意味、物理的現象を最初に考えたのは、奥尻島での津波を知った時のように思う。到来した波が22m程の高さまで達したように覚えている。しかし、その意味は波の高さという意味では解釈できない『圧力エネルギー』として少しも不思議でない当然の物理現象と思う。津波が到達する上昇高さは、波の高さと言う表現では当てはまらない物理現象と思う。それも物理学の問題の筈だ。理科教育の基本的問題と思う。普通の水面波の解釈で、物理学理論の解釈に矛盾が有るからであろう。水面を伝播する『圧力エネルギー』の認識が無い問題だ。

 波による災害には、津波と高潮。強風、気圧降下などで海面が高まり海水が海岸に打ち寄せる波は高潮と言う。恐ろしいのは、「津波」だ。海底の地震などで、急に陸地を襲う高い波が『津波』と言う。と辞書に説明がある。
 『津』の漢字を調べてみた。結構古い字形は難しい文字だ。『津』とは①船着き場。港。②渡し場。③人の集まる所。の事を言うと辞書にある。そこに災害をもたらす波を『津波』と言うようだ。

 その後、2004(平成16)年10月23日に中越地震で身近な経験をした。その年の暮れ12月26日にスマトラ島沖での巨大な津波に因った被害が生じた。その時のテレビ映像で、海面が遠くまで引き、海水の引けた海底に魚が跳ねていた。その後途轍もない津波が襲ってきたのを見た。

 また、2011年3月11日に東日本大災害の地震が基で津波による災害に襲われた。その後、素人乍らの解釈を述べてきた。その訳は、専門家が唱える津波の解説が自分には納得が出来ないからだ。その中で、大津波の発生原因を探る (2011/04/18) がスマトラ島沖津波の海底亀裂写真。更に、東日本大震災に関する海底亀裂で、地震とは何か (2011/10/20)  も記事にした。また、地震・津波発生の原因 (2014/06/15) にも深海5351mの海底亀裂。

 これらの海底亀裂の映像などを見て思えば、それ以外に巨大津波の原因は考えられない。しかし、気象庁やその他の専門家の解釈は、地殻の滑り込みの重なり部で、歪の蓄積による跳ね上がりが原因のような解釈が主流になっているように思えるが、とても納得できるものではない。

 この度の能登地震を切っ掛けとして、再び疑問が浮かんだ。今までの自分の解釈でも、津波の物理的状況を説明できていないと感じた。そこから再び、考えた。自分の解釈で、何が間違っていたかと言うと、海水面上を伝播する津波の階段状の衝撃波で、その波は海水の流れを伴って居ない。ただ海面が高く立ち上がるだけである。右図に示す。決して津波は高く跳ね上がるような波ではない。図のように海洋を伝播して海岸に到達する津波の波形は階段状の衝撃波である。

 それでは、海岸に到達した時、津波として海水が上陸して流れ込み、大災害を引き起こす。その水は何処から大量に流れ込むことになるのかと、その海水が海岸に流れ込む訳だが、その水はどの様に流れるのか?流入の原因は何かと、今までの自分の解釈、階段波の水の圧力波では説明できないことに気付いた。海水面の階段波は、水が流れる訳ではないのだ。図の船は高く押し上げられるが、決して陸側に流される事は無い。津波が到達する前の、引き波では船も海水と一緒に流される。

 やっと津波現象の本質に思い至った。先ず、深海に生じる海底亀裂が第一の原因である。その解釈は初めから筆者は感覚的に感じていた。海底亀裂は、意外に海底の平坦な地形の処に発生するように、海底亀裂の写真映像から思う。その亀裂は、人力では考えられない現象として地球の活動で生じる。地震の海底の地盤深くの崩落による震源により、海底に亀裂を生じる。その亀裂は殆ど真空に近い空間を生じる。その海底の空間の水の保有する『圧力エネルギー』は相当の大きなジュール[J]量である。
 その亀裂に向かって、周辺から海水がどの様に流れ込むか?
その亀裂空間に向かって、海底の周辺から海水が急激な衝撃波として流れ込む。元々その流れ込む海水も大きな圧力エネルギーを持っているから、海底の海水に馴染む。海底の周辺から流れが生じると、水は全体が繋がった慣性になって、その流れの波が周辺に及び遠くからの海水を引き込む現象として伝播する。と同時に、震源のその亀裂部は海水の流れ込みで水圧が高まり、今度は周辺に拡散する海底水流を引き起こす。水圧エネルギーの大きな海底水流は何処までも海底の広がりとしての水流となって広がって行く。その先端が伝播する水流となって、海水面上の階段波の津波として、海水面に上昇波形が表面を伝播する。海水面の水は全く流れず、ただ波頭部が高く立ち上がった波形として広がり、伝播して行く。津波も、普通の水面波と同じく海水面では海水は流れない。しかしその海底部は地震の震源からの海水の流れとして、海水が陸に向かって流れているのだ。その水が津波として、陸に上陸する災害の原因である。巨大津波は、海底亀裂に向かう周辺からの流れ込みを生じる場合が多い筈だ。それが「引き波」と言う津波前の海岸部に生じる海底が現れる原因でもある。
 しかし、地震と津波の関係は、今回の能登半島の場合のように、ここで述べたような海底亀裂でない、複雑な海底地形の変動によっても津波は発生する場合もあろう。海水は一体の繋がった慣性体でもあるから。広く海底の変動が海水の流れを生み出すだろう。その場合は、巨大津波とはならない場合が多かろう。高飛び込みの水泳競技で、全く波を立てない高技術を見る。水の慣性を思う。水泳などで、水の一体としての慣性体としての感覚を知る。

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