電力送電系統の物理学理論

(2024/06/08).

 電力送電系統と言えば、それは科学技術の粋を集めた総合エネルギー供給の基幹設備である。
 一方、物理学理論と言えば、あらゆる科学技術の理論的基礎を極めた拠り所としての基礎科学理論体系と一般には思われているだろう。

 科学論の世界を、科学技術と基礎理論その二つを結び合わせて観たとき、その現代科学と言われる分野の全体像を纏めて観たとき、そこには途轍もない矛盾がある事に気付いた。しかもその矛盾の実体・原因が余りにも基本的な事柄で、特別に高度な専門的と言う程の内容では無いと言う事であることに驚きを隠せないのだ。だからこそ、有耶無耶にして置けない事態であるから、極めて深刻な社会的な問題なのだ。特別の極めて高度な専門的内容に関する問題ではないと言う点で、理屈を考えれば余りにも単純すぎる、当たり前に気付くべき問題である事が放置されていたという意味で、恐ろしい問題であるのだ。だから今こそ、取り挙げないで置けない事態に在る問題なのだ。

 『電子』と言う概念が、明らかに間違っているのだ。『電子』で解釈する教科書が「嘘」を子供達に教育している事なのだ。その代表的なものは、中学2年生に、電気回路の電線内を『電子』が流れているという内容を教育している事だ。決して『電子』が電線内など流れ得ないのだ。

 しかし、何処でもかしこでも、『電子』と言う言葉に接しない日が無い程、日常的に使われている現実なのだ。

 ご飯を炊く電気釜でも、『電子ジャー』とか『電子炊飯器』とかいう言葉が使われている。決して『電子』でご飯など炊いてはいないのだ。『電子計算機』とも言う途轍もない科学技術機能の『パソコン』を使ってもいる。自然界の究極の物質は『原子』で、その核は『陽子』と『中性子』から成り立ち、その核の周りを『電子』が兎に角回っていると決まっている構造で教えられている。しかし本当は『電荷』など自然世界には無いのだ。だから原子の構造論もよく考えれば「嘘」なのだ。そんなすべての科学論が『電子』で関係付けられて解釈されている。そんな科学論全体を一つ一つ取り挙げて説明する程能力は無いので無理である。しかし、電気回路ならそれ一つで、『電子』が如何に役立たずの矛盾のお飾り概念であるか位は説明できる。

 三相電力送電線路の『相』とは何か?

 『相』とは電磁エネルギーの伝送空間の意味だ。エネルギーを伝送する空間が三空間ある場合が『三相』となる。家庭用に供給される電力線路は『単相』の空間が一面だ。三本の電線 A,B and C で一回線の三相電線路が構成され、その電線間に三つの線路空間が構成される。そこに印加される『電圧』が三つの位相差のVab,Vbc and Vca である。その関係が右図である。

 『電圧』の物理的意味。
 その意味を『電圧』その物理的意味 (2024/02/23) に説明した。『電圧』とは電気エネルギーを伝送する空間に如何程の、エネルギー高密度の状態にできるかの電気技術的評価概念なのだ。決して『電荷』など自然界に存在しない過去の仮定した仮想概念などでの物理的意味などは未来の『物理学理論』の概念としては破棄しなければならない間違いだったのだ。ましてや子供たちへの教育で、『電荷』等曖昧な論拠によるものは使ってはならないのだ。

 『電圧』とエネルギー伝送空間。
 ここで三相電線路の電気エネルギー伝送とその電力について考えて見よう。右図で、電線導体の A と B の間に電圧 Vab が掛かる。その電圧は電源がそこに繋がれた電線路の空間構造で、電線路特性が決まる。どの様な特性かと言えば、電線間にどれ程の高エネルギー分布密度にできるかの、その電線路能力が線路容量で決まるのだ。その容量がコンデンサの様な意味の、『容量』 C [F/m] となる。電線間が狭ければその容量は大きくなる。しかし、電線間が狭ければ、貯蔵されるエネルギー密度が高くなり、空気の絶縁限界を越えて、⦅雷⦆と同じ物理現象の火花放電に移行してしまう。空気は電気エネルギーの絶縁体なのだが、その空気内に『エネルギー』の密度が高くなれば、耐え切れずに放電と言う状態になる。超高圧送電線路の電圧は500KV、1000KVと、とても高い電圧である。それは、送電容量を高くする為に止むを得ないのだ。鉄塔が大型になり、電線路間隔が大きくなる。電圧が高ければ、電線路のエネルギー分布密度が高く取れる。線路容量 C[F/m] が小さく成ることとの兼ね合いで設計される。

 各空間の伝送電力が p1,p2 そしてp3[w=J/s]だ。

 その電力とは決して『電荷』や『電子』の仮想概念の機能で担える『エネルギー』ではないのだ。電力の解説者は誰もが、そして教科書では導体内を『電子』が流れると唱えるが、どの様にその電力を『電子』が伝送するかを解説しないのだ。その事実が、『電子』での解説が無い事実が、物理学理論の全く論理性の無い、曖昧な思惑論でしかない事を証明している。

 電力の空間の伝送能力は、最大伝送電力は、その回路空間の特性値、特性インピーダンス Zo =√(L/C)[ Ω=(H/F)½]で決まる。しかもその伝送エネルギーの伝送速度は光と同じ光速度だ。光の速度で、電線路空間を流れるエネルギーが電気回路の物理現象の真相なのだ。

 伝送電力値の計算は次に譲って一先ずここ迄とする。

 

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